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定義
本品は、次の化学式で表されるアミノ酸である。
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性質
オルニチンは、体内を血液とともに巡る「遊離アミノ酸」の1種です。一般的に知られているアミノ酸の多くはタンパク質を構成していますが、オルニチンはタンパク質を構成するアミノ酸ではありません。つまり、オルニチンはタンパク質を作るために体内に存在するアミノ酸ではなく、体内を遊離しているアミノ酸です。
オルニチンは天然界に存在する物質であることから、安全性は高いとされています。しかし、オルニチンを過剰に摂取すると肝臓の機能が過剰となってしまうため、肝臓に悪いです。
オルニチンは、適切な量を摂取することで、肝臓の解毒機能を高める作用、筋肉の合成を促進する作用、運動後の疲労を軽減する作用などを発揮できます。
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解説
2,5-diaminovaleric acid.C5H12N2O2(132.17).NH2(CH2)3CH(NH2)COOH.タンパク質の成分アミノ酸ではないが,そのアルカリ加水分解液にはアルギニンから生成したD,L-オルニチンがみられる.チロシジン,グラミシジンS中にL-オルニチンが,バシトラシン中にD-オルニチンが存在する.動物の肝臓中でアルギニンからアルギナーゼの作用で尿素とともに生成する.アルギニンを塩基性で加熱するか,アルギナーゼを作用させると得られる.L-オルニチンは融点140 ℃(120 ℃ で軟化).[α]25D+11.5°(水).pK1 1.71,pK2 8.69,pK3 10.76.pI9.70.森北出版「化学辞典(第2版)
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構造
オルニチンの分子構造は、同じアミノ酸の仲間であるシトルリン、アルギニンの分子構造と類似しています。オルニチン、シトルリン、およびアルギニンなどは、体に有害なアンモニアを肝臓内でに変える反応に必要です。有毒なアンモニアを尿素へ変える反応回路をオルニチン回路または尿素サイクルと言います。
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化粧品の成分用途
ヘアコンディショニング剤、皮膚コンディショニング剤
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効能
肝保護薬
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使用
hepatoprotectant, anticholesteremic
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定義
ChEBI: An optically active form of ornithine having L-configuration.
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安全性
オルニチンに大きな副作用はないとされていますが、過剰に摂りすぎると腹痛や下痢を起こす可能性があります。体に良さそうであるからといって、過剰に摂取しないようにしましょう。
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使用用途
オルニチンの主な使用用途は、体の健康を保たせるための栄養補助食品です。工業用原料としての使用用途はほとんどありません。
オルニチンは、サプリメントなどに配合されており、栄養ドリンクなどに入っている場合もあります。日々の食事だけでは不足してしまうオルニチンを補うことによって、肝機能の向上、身体の成長、睡眠の改善といった効能が期待されます。
オルニチンを摂取することによって、体にとって有害なを肝臓で解毒する機能を高める以外に、睡眠中の成長ホルモンの分泌が促進される可能性が高いです。さらに、ストレスホルモンの分泌を抑えることによって睡眠の質が改善するため、性別問わず効能が期待できます。
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オルニチンを含む食材
オルニチンを多く含む主な食材はシジミですが、シジミ以外の食材としては、ブナシメジやエリンギなどのキノコ類、キハダマグロ、ヒラメ、チーズなどが挙げられます。各食材100gあたりのオルニチンの含有量は、シジミで20mg程度、ブナシメジで140mg程度、エリンギで30mg程度、キハダマグロで2~7mg程度という研究報告があります。
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安全性プロファイル
Mutation data reported. When heated to decomposition it emits toxic vapors of NOx.
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概要
タンパク質構成アミノ酸ではないが,天然には抗菌性ペプチドや細菌細胞壁のペプチドグリカンなどに広く存在.尿素回路におけるアルギニンの代謝中間体
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純化方法
Crystallise L-ornithine from water containing 1mM EDTA (to remove metal ions). [Perrin J Chem Soc 3125 1958, Rivard Biochemical Preparations 3 97 1955, Greenstein & Winitz The Chemistry of the Amino Acids J. Wiley, Vol 3 pp 2477-2491 1961, Beilstein 4 III 1346, 4 IV 2644.]