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外観
白色~ほとんど白色, 結晶性粉末
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種類
ジシアンジアミドは、研究開発用試薬及び工業用薬品として一般に販売されている物質です。研究開発用試薬としては、25g、500g、1kg、3kgなどの各種容量で販売されています。通常、室温で取り扱い可能な試薬製品です。試薬製品は、研究開発用以外の用途で使用することはできません。
工業用化学品としては、通常25kgバッグなどの単位で販売されています。製品によって、エポキシ樹脂硬化剤や、澱粉糊添加剤、合成洗剤安定剤、染料など、想定されている用途が異なる場合があるため、使用する際は確認することが必要です。
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性質
図1. ジシアンジアミドの基本情報
ジシアンジアミドは、分子量84.08、融点210℃であり、常温では白色の結晶性粉末です。結晶状態においては、斜方晶系結晶または板状結晶で存在します。熱水に溶けやすい性質です。
冷水及びエタノールにはやや溶けにくく、アセトンに溶けにくい物質です。なお、ジシアンジアミドの水溶液はほぼ中性を示します。
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溶解性
熱水に溶けやすく、冷水及びエタノールにやや溶けにくく、アセトンに溶けにくい。
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解説
ジシアンジアミド,シアナミドを重合させると得られる.融点209 ℃.d425"1.40.水に可溶,エタノールやアセトンに微溶.融点以上に熱するとアンモニアを発生してメラミンそのほかのトリアジン誘導体に変化する.グアニジン誘導体やピリミジン誘導体などの複素環式化合物の合成原料として用途が広い.刺激性で皮膚に触れると炎症を起こす。シアナミド水溶液にカルシウムシアナミドを加えてアルカリ性(pH8.5)とし,80℃くらいに熱すると2分子が重合してジシアンジアミドが生成する。
HN=C=NH+H2NCN ―→H2N-C=(NH)-NH-CN
ジシアンジアミドは白色の結晶で,メラミン樹脂の成形材料,エポキシ樹脂の硬化剤などに用いられ,またこれから得られる化合物は医薬・農薬・樹脂などの原料とされるものが多い。
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用途
シアナミド誘導体の原料、染料固着剤、顔料
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用途
有機合成原料(メラミン、グアニジン塩等)。
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合成
ジシアンジアミドの合成
図2. ジシアンジアミドの合成
一般的なジシアンジアミドの合成方法は、石灰窒素を水と酸で反応させてシアナミド溶液にし、これを加熱重合させることです。シアナミドは、カルボジイミドと互変異性の関係にあるため、塩基性溶液中で加熱すると、シアナミドとカルボジイミドとが反応したジシアンジアミドが生成します。
別の方法としては、反応を石灰窒素泥中で同時に行い、熱水で抽出し結晶を得る方法があります。
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主な用途/役割
エポキシ樹脂の硬化剤として使用される。
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化学的特性
white powder
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使用
Dicyandiamide is a guanidine derivative used in the synthesis of barbiturates,it is also used in the plastics industry (manufacture of melamine).
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主な応用
Dicyanodiammonia, abbreviated as dicy or DCD. It is an organic substance with the chemical formula of c2h4n4. It is a dimer of cyanamide and a cyano derivative of guanidine. Chemical formula c2h4n4. White crystalline powder. Soluble in water, alcohol, ethylene glycol and dimethylformamide, almost insoluble in ether and benzene. Stable when dry. It is a guanidine in which one of the amino hydrogens of guanidine itself is substituted by a cyano group. It is used in the manufacture of fertilizers, pharmaceuticals, explosives, oil well drilling muds, and dyestuffs. It has a role as a curing agent, a flame retardant, a fertilizer, an explosive and a nitrification inhibitor. It is a member of guanidines and a nitrile. The application of nitrification inhibitors has been used as a strategy to promote N utilization efficacy and reduce N2O emissions in paddy Dicyandiamide (DCD) as a widely used nitrification inhibitor inhibits the activity of ammonium-oxidizing bacteria which results in longer ammonium retention and reduces the production of NO2?in soils. DCD efficacy was found to be related to DCD concentration, temperature, moisture, pH, and organic matter content. Studies have shown that leaching DCD from agricultural soils into aquatic ecosystems can strongly change the community composition of benthic stream bacteria and algae and influence stream nutrient cycling stoichiometry. Literature on the mechanisms and benefits of nitrification inhibitors is extensive but there are very few studies focused on the influence of DCD application on other microbes in paddy system.
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調製方法
Dicyanodiamide is manufactured by dimerization of cyanamide
in aqueous solution. The 25% cyanamide solution
produced is adjusted to pH 8–9 and held at approximately
80C for 2 h to give complete conversion. The hot liquor is
filtered and transferred to a vacuum crystallizer, where it is
cooled. The crystals or dicyanodiamide are separated in
continuous centrifuges and passed to rotary driers. In
1990, the total worldwide production of dicyanodiamide
was about 30,000 tons.
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一般的な説明
Dicyandiamide is commonly used for the curing of epoxy resins. It is a nitrification inhibitor that is said to be capable of reducing nitrate (NO3-) leaching and nitrous oxide (N2O) emissions from grazed pasture soils.
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使用用途
1. 主な用途
ジシアンジアミドの主な用途は、エポキシ樹脂硬化剤、澱粉糊添加剤、有機合成原料、ジシアンジアミド樹脂原料、合成洗剤安定剤、染料、肥料、農薬 (殺虫剤/殺菌剤) などです。 エポキシ樹脂の硬化剤として使用する場合は、単独で使用すると硬化温度が180℃以上と高く、硬化時の発熱も大きいため、イミダゾールアダクトなどの三級アミンを触媒として併用します。
2. 合成的用途
ジシアンジアミドは、融点以上に加熱するとアンモニアと共にメラミン、メラムなどを生じる性質があります。このため、有機合成原料としては、 シアナミド誘導体の合成に用いられます。具体的な化合物としては、グアニジン、ジシアンジアミジン、ジグアニド、メラミンなどが挙げることができます。
3. 肥料としての用途
ジシアンジアミドは、肥料として特に緩効性肥料に使われている物質です。緩効性肥料とは、徐々に効果を発揮する肥料であるため、植え付け時の基肥などに用いられます。
ジシアンジアミドは水溶性があり、土壌水分中に溶解して作用する物質です。主に亜硝酸菌などの土壌微生物に対して働きを抑制し、アンモニア態窒素 (栄養成分を土壌中に保持する) から硝酸態窒素 (植物の窒素源として即効性がある) への分解を緩やかにする効果があります。ジシアンジアミドの水への溶解度は水温に依存するため、土壌水分の温度により肥料としての効果が異なります。
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純化方法
Recrystallise cyanoguanidine from water or EtOH. [Beilstein 3 IV 160.]