解説
セロファンは,再生セルロース(再生繊維)の一つ。セルロース(繊維素)をアルカリと二硫化炭素で処理して得られたビスコース溶液を硫酸水浴中に凝固させて再生セルロースをつくるときに、ノズルの細孔を用いればビスコースレーヨンが、またスリット(間隙(かんげき))を用いるとフィルムが得られる。フィルムに柔軟性を与えるためにグリセリンを添加する。この柔軟剤を使用して連続的にフィルムを製造する方法は1912年にスイスのブランデンベルガーJacques Edwin Brandenberger(1872― )により確立され、セルロースのセルと、透明というフランス語のdiphaneを複合させてセロファンと名づけた。[垣内 弘]
小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) )