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外観
無色澄明の液体
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性質
酢酸フェニルは、常温常圧でフェノール臭を示す無色の液体です。水にはほとんど溶けず、、、エーテルなどの有機溶媒に可溶です。合成方法としては、またはとフェノールとの反応により得られます。
この反応では、フェノールの酸素原子が求核性を持つことを利用して、求核置換反応を受けやすい無水酢酸や塩化アセチルと反応させて合成しています。
沸点は約196℃ですが、引火点は94℃であり、80℃以上の温度では自然発火や爆発の危険性があります。そのため、密閉系で扱うことや換気をしっかり行うことなどを心がけなければなりません。
なお、皮膚や目に対しても刺激性を持つため、扱う際にはゴム手袋や保護メガネの着用が必要です。
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溶解性
水に一部混和する。エタノール, エーテルに可溶。エタノール及びジエチルエーテルに極めて溶けやすく、水にほとんど溶けない。
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使用
Phenyl acetate levels in urine are marker for the diagnosis of some forms of unipolar major depressive disorders. It undergoes Fries rearrangement to form a mixture of o- and p-hydroxyacetophenones which are useful intermediates in manufacture of pharmaceuticals. It is a metabolite of Phenylbutyrate (PB), useful in the treatment of neuroblastoma and lung cancer.
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定義
ChEBI: An acetate ester obtained by the formal condensation of phenol with acetic acid.
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一般的な説明
A clear colorless liquid with a sweetish solvent odor. Specific gravity 1.073. Flash point 176°F. Boiling point 383-384°F. Difficult to ignite. Used as a laboratory reagent and in the production of some organic chemicals.
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空気と水の反応
Slightly soluble in water.
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反応プロフィール
Phenyl acetate is an ester. Esters react with acids to liberate heat along with alcohols and acids. Strong oxidizing acids may cause a vigorous reaction that is sufficiently exothermic to ignite the reaction products. Heat is also generated by the interaction of esters with caustic solutions. Flammable hydrogen is generated by mixing esters with alkali metals and hydrides.
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健康ハザード
Inhalation or contact with material may irritate or burn skin and eyes. Fire may produce irritating, corrosive and/or toxic gases. Vapors may cause dizziness or suffocation. Runoff from fire control or dilution water may cause pollution.
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使用用途
酢酸フェニルは、酵素基質や阻害剤など、さまざまな有機化合物の合成原料として用いられます。比較的安価な試薬であるため、容易に手に入れることができます。ただし、この物質が単体で使用されることは少ないです。
ベンゼン環にエステル基が結合した構造を持っているため、ベンゼン環上にさまざまな修飾を施しすことが可能です。人間の体内に存在する伝達物質にはこのような骨格を持っているものも多く、これらの伝達物質や受容体をターゲットとした薬の原料として用いられています。この物質はエステラーゼの基質となるため、エステラーゼの阻害薬の原料に利用されています。
また、酢酸フェニルはルイス酸存在下において、2-または4-ヒドロキシフェニルメチルケトンに転位するほか、主にニトロフェニル・フェニル誘導体として、種々の芳香族有機化合物の合成原料に使用されます。この物質はエステルなので、酸性や塩基性を持たず、求核性や求電子性を持つ部位も存在しないため非常に取り扱いやすい物質です。
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酢酸フェニル水銀について
酢酸フェニルから誘導される非常に構造の似ている物質の1つとして、酢酸フェニル水銀が挙げられます。この物質は、酸素原子とベンゼン環上の炭素原子の間に水銀原子が挿入された有機金属化合物です。
酢酸フェニル水銀は、イネいもち病菌のカビを殺菌する特効薬として、1948年に農薬登録されましたが、1973年に失効してしまいました。当時、水俣病の原因となったメチル水銀の有毒性が世間では話題になっており、同じように水銀を含む有機化合物である酢酸フェニル水銀も水銀化合物への社会不安により使用されなくなってしまいました。
しかし、酢酸フェニル水銀からメチル水銀は検出されておらず、有害性は指摘されていませんでした。ただ、実験中に中毒症状が発生した例や、農薬散布中に中毒を起こしたという症例などがあり、他の農薬によって代用されており、使用されていないのが現状です。
この化合物は、酢酸水銀 (Ⅱ) をベンゼン中でトリフルオロシリルベンゼンとともに加熱還流を行うか、ジフェニル水銀と酢酸との反応により合成することができます。
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安全性プロファイル
Moderately toxic by ingestion. Mildly toxic by skin contact. A skin irritant. Combustible when exposed to heat, flame oroxidizers. To fight fire, use alcohol foam. When heated to decomposition it emits acrid smoke and irritating fumes.
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概要
酢酸フェニル (英: phenyl acetate) とは、フェノールエステルの1つで、とが脱水縮合した構造を持つ有機化合物です。
また、有機化合物の1種であり、分子式はC8H8O2、分子量は136.15、密度はおよそ1.08g/ml、CAS番号は122-79-2です。別称としては、フェノールアセタート、フェノールアセテート、アセトキシベンゼンなどがあります。
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合成方法
フェノールと無水酢酸を反応(エステル化)させると生成する。
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純化方法
Phenyl acetate acid is freed from phenol and acetic acid by washing (either directly or as a solution in pentane) with aqueous 5% Na2CO3, then with saturated aqueous CaCl2, drying with CaSO4 or Na2SO4, and fractionally distilling under reduced pressure. [Beilstein 6 II 153, 6 III 595, 6 IV 611.]