混合の機構
混合の機構は複雑であるが、大まかに(1)対流混合convective mixing、(2)拡散混合diffusive mixing、(3)剪断(せんだん)混合shear mixingに分類される。対流混合は、混合速度は大きいが細かくみた製品の均一性がよくない。反対に拡散混合は、混合速度は小さいが均一性はよい。剪断混合は、互いに結合力をもつ粉粒体(湿潤粉体など)または高粘性物質に、強い剪断力を加えて分離や粉砕を行いながら混合するもので、捏和で重要な混合機構である。いずれの機構でも、粉粒体は運動状態を与えなければ混合作用も止まる。混合機は、粉粒体に運動を与える方法として、容器自身を回転する容器回転型混合機(水平円筒型混合機、V型混合機、二重円錐(えんすい)型混合機など)と、容器固定型混合機(機械的攪拌型混合機、気流攪拌型混合機など)、さらに複合型混合機(回転型混合機に攪拌羽根を取り付けたもの、気流攪拌に機械攪拌を付加したもの、容器に機械的・電磁的振動を加えるものなど)がある。
粉粒体混合では、完全混合の達成は事実上不可能で、混合機ごとの個々の粒子の配列は変わっても全体としての混合状態はそれ以上進まない動的平衡状態に達して実際上の混合は終わるので、混合の目的と対象物質によって適当な混合機を選定すべきである。
[早川豊彦]