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性質
NiSは黒色の固体で、ニッケル(II)塩を硫化水素で処理することで生成します。同じ化学式のNiSを持つ鉱物の針ニッケル鉱などを含めて、多数の硫化ニッケルが知られています。有用な鉱石だけでなく、脱硫反応の産物として得られる硫化ニッケルもあり、触媒として用いられることも多いです。
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解説
硫化ニッケル(Ⅱ):NiS(90.76).三つの形がある.(1)α形:黒色の無定形結晶.空気中では不安定で,Ni(OH)Sにかわる.396 ℃ でβ形に転移する.水に不溶,塩酸に可溶.(2)β形:黒色の結晶.酢酸酸性の酢酸ニッケル水溶液に硫化水素を通じると得られる.もっとも安定な形.融点810 ℃.密度5.0~5.6 g cm-3.水,塩酸に不溶.(3)γ形:黒色の結晶.天然には,針ニッケル鉱として産出する.密度5.34 g cm-3(30 ℃).融点777 ℃.水,塩酸に不溶,いずれも硝酸,王水に可溶.
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構造
硫化ニッケルには、一硫化ニッケル (NiS) 、二硫化ニッケル (NiS2) 、二硫化三ニッケル (Ni3S2) などが存在します。それ以外にも、Ni9S8やNi3S2などの不定比化合物も知られています。ベース鉱 (NiS2) のように、1つのニッケル原子は複数の硫黄原子と結合することが可能です。
硫化ニッケル(II)も多くの関連物質と同様に、ヒ化ニッケルのモチーフを取っています。この構造においては八面体型で、硫化物中心は三方柱型です。
硫化ニッケル(II)には、α型とβ型の多形があります。α型は六角形の単位胞で、β型は菱面体の単位胞です。α型は379℃以上になると安定していますが、低温ではβ型に変換します。この相転移によって、体積は2〜4%増えます。
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合成法
硫化ニッケル(II)の黒色沈殿は、伝統的な定性無機分析において有名です。つまり、硫化物の溶解度の差に基づいて、ニッケル(II)を含む金属を分離できます。
固相メタセシス合成や元素の高温反応など、制御されたあらゆる合成方法が開発されています。
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化学的特性
black powder(s); trig, yellow metallic luster; enthalpy of fusion 30.10 kJ/mol; can be formed by fusing Ni powder(s) and molten sulfur; other sulfides include Ni2S, 12137-08-5, Ni3S2, 12035-72-2 (heazlewoodite), NiS2, 12035-51-7, and Ni3S, 12137-12-1 (polydymite) [KIR81] [STR93] [CRC10] [JAN85]
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製造方法
The black nickel sulphide precipitated from nickel(II) salt solutions
by ammonium sulphide in neutral but not strongly acid solution is the so-called α-NiS ; it
consists largely of amorphous Ni(SH,OH)2 when first precipitated. At low pH this crystallizes
to give mainly the rhombohedral γ-NiS, while at higher pH the hexagonal β-NiS(Ni1-XS) crystallizes.
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そ他情報
1. 天然の硫化ニッケル(II)
針ニッケル鉱は、化学式がNiSと同じ硫化ニッケル(II)です。低温の熱水系や炭酸塩岩の空洞といった天然に生じる以外にも、他のニッケル鉱物の副産物として生成することもあります。ただし、硫化ニッケル(II)が形成される条件によって、合成化学量論的NiSとは構造が違います。
2. ガラス中の硫化ニッケル(II)
フロートガラスには、清澄剤のや不純物の金属合金に含まれているニッケルによって形成された硫化ニッケル(II)が、少量含まれています。このような硫化ニッケル包摂物は、強化ガラスの製造において問題になります。
硫化ニッケル包摂物は焼戻し過程後に準安定α相になり、最終的には低温で安定なβ相に変換されるため、体積が増えてのヒビの原因になるからです。強化ガラスの内部で材料に張力がかかり、亀裂が伝搬することで、自発的なガラスの破壊に繋がっています。この自発的なガラスの破壊は、通常ガラスを製造して数年から数十年後に起こります。
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使用用途
ニッケルの硫化物は、硫化ニッケル触媒として広く用いられています。例えば、重油の高圧水素添加分解や有機化合物の脱水素、脱硫触媒などです。
硫化ニッケルの危険有害情報として、吸入するとアレルギー、喘息、呼吸困難やアレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれや、発がん性、長期にわたるまたは反復曝露による呼吸器の障害があります。使用時には適切な保護手袋、適切な呼吸用保護具などを着用し、取扱後は手をよく洗うことが必要です。
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安全性プロファイル
Confirmed carcinogen
with experimental carcinogenic and
neoplastigenic data. Mutation data reported.
When heated to decomposition it emits
toxic fumes of SOx. See also NICKEL
COMPOUNDS and SULFIDES.